「効果的なマラソントレーニング方法を学びたい」という方へ。
ウエハラです。
このブログは主にマラソンでサブ3(3時間切り)を目指している方に向けて記事を書いていますが、本記事はマラソン初心者でも参考になる内容を書いていきますので、マラソン初心者も敬遠せずにどうぞご覧くださいませ。
本記事は、「マラソン “根拠のある練習メニュー”の作成方法」について。
ターゲットは以下のような方々です。
■この記事を読んで欲しい人■
①
②
③
どうやったら「練習の目的」を意識できるの?
「練習メニューの作り方」は多くの独学ランナーが直面するお悩みだと思います。
特に、“陸上経験がない方”“ランニング歴が浅い方”であれば、なおさら練習メニューの作り方に悩むことは多いでしょう。
あるいは、
といった方もいるかもしれません。
しかし、練習の意味を考えずにマラソン練習していては、効果が半減してしまうので非常にもったいないです。
『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』の著者であるジャック・ダニエルズ氏は以下のように述べています。
常に必要なのは、「この練習の目的は何か」という問いに答えられることだ。
– 『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』 / ジャック・ダニエルズ 著 より
つまり、一つ一つの練習(トレーニング)には“その練習を行う根拠”がなければいけないのです。
みなさんも毎日“根拠のある練習メニュー”を作れるようになりましょう!
■この記事を読むメリット■
① 日々の「練習メニューの作り方」の立て方が分かる。
② あなたの走力向上や目標達成に直結する“根拠のある練習メニュー”を立てることができるようになる。
③ 日々の練習に“目的意識”を持って取り組めるようになる。
では、より効果的なマラソントレーニング方法について学んでいきましょう!
■この記事を書いている人:ウエハラ■
●ランニング歴15年です。
●セルフコーチングなので自分で勉強しながらトレーニングしてきました。
●フルマラソンベストは2時間37分30秒。
●マラソン指導実績:3年間で8人がサブスリー達成。
●保有資格:NESTA-PFT (全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会-パーソナルフィットネストレーナー)
マラソン練習では日々の練習メニューを考える前に、まず「目標」や「中・長期トレーニング計画」があるとスムーズです。
「トレーニング計画の立て方」については、以下の記事で解説しています。
目標やトレーニング計画の立て方が分からない方はこちらから先に読むことをおすすめします。
→ 【まとめ】マラソン トレーニング計画の作成方法【4つの手順】
「練習の目的」を明確にする
月並みの言葉ではありますが、マラソン練習においては「練習の目的」を明確にしなければいけません。
よく聞く言葉だけど、ぶっちゃけどうやって「練習の目的」を意識すれば良いか分からないんだよなぁ・・・
一つ例をあげてみましょうか。
ただひたすらに追い込むだけが練習ではない。
例えば、「60分 ジョグ」という練習メニューがあったとします。
しかし、AとBのパターンで以下のような違いがあるとします。
(パターンA)
前日にも翌日にも高強度のトレーニングを行なわない。
→ “基礎スタミナ養成”が目的の「60分 ジョグ」
(パターンB)
前2日連続で高強度のトレーニングを行なった。
→ “疲労抜き”が目的の「60分 ジョグ」
パターンBは目的が“疲労抜き”だからそんなに追い込む必要はないかな。
むしろパターンBの場合は、目的が“疲労抜き”なので追い込み過ぎるとかえって疲労が溜まってしまい逆効果です。
追い込むことで“疲労抜き”という本来の目的が達成されないのです。
練習の目的によって、練習の内容は必ず変わる。
以上の例のように、同じ練習メニューをやるにしても「練習の目的」次第で練習内容や練習の取り組み方は大きく変わります。
練習の目的とは例えば、
・特定の身体スキルを伸ばしたい(スピード、スピード持久力、スタミナ・・・)
・より効率的なランニングフォームを身に付けたい
・精神的にタフになりたい
などなど。
細かいところまで言えば、練習の目的は本当に多様なんですが、主には
「どの身体スキルを伸ばしたいか」
ここに集約されるでしょう。
「どの身体スキルを伸ばしたいか」に関しては後程改めて解説します。
そして、「どの身体スキルを伸ばしたいか」という目的が決まったら、その目的を達成する為の練習メニューがおのずと見えてきます。
例えば、
「スピードを高めたい」→「1000m(Iペース)×5本」や「400m(Iペース)×15本」
「スタミナを高めたい」→「30kmペース走」や「2~3時間LSD」
といった具合に、「練習の目的」から“その目的を達成する為の練習メニュー”を考えるのです。
みんなが「30km走」やってるからというだけで、何となく「30km走」をしてたよ。
しかし、あくまで「練習の目的」を自分の中に落とし込んだ上で真似をすることが大事です。
中・長期的なトレーニング計画から日々の練習に落とし込む
スピード、スタミナ、ランニングフォーム、筋力etc
うわ。
なんかアレもコレもやることがたくさんだなぁ〜
欲張らずに一つずつコツコツと練習を積み重ねましょう。
マラソンは長期的にトレーニングしていかなければいけません。
その日1日だけ頑張っても意味がない。
マラソンは“長期戦”です。
これはマラソンレースのことを指すのではなく、「マラソンのスタートラインに経つまでの準備期間」のことを指しています。
マラソンのトレーニング計画というのは、3~4ヶ月、あるいは半年〜数年単位でかなり長期的な目線で組み立てなければいけません。
その日1日だけ練習を頑張れば良いというものではないのです。
この間頑張って30km走をやったんだけど、そこで満足しちゃってそれ以来全然練習していないんだよなぁ。
また現状を正しく認識せず、短期的に「ただ追い込むだけ」が目的になってしまうと怪我のリスクも高まります。
怪我をしてしまうと練習が中断され、長期的に力を付けることができません。
要するに、
「短期的な視点だけではなく、長期的な視点も持ちましょう」ということですね。
「鳥の目、虫の目」というやつです。
今行なっているトレーニングが、
自分の目標達成に繋がっているかを意識する。
というわけで、日々の練習メニューは、あなたの「長期目標」や「トレーニング計画」と照らし合わせて考える必要があります。
あなたの「トレーニング計画」に基づいて適切な練習メニューを作成し、それを日々の練習に組み込んでいくのです。
「トレーニング計画の立て方」については、以下の記事で解説しています。
目標やトレーニング計画の立て方が分からない方はこちらも併せて読むことをおすすめします。
→ 【まとめ】マラソン トレーニング計画の作成方法【4つの手順】
“根拠のある練習メニュー”の作成方法【4つの手順】
毎度のことながら前置きが長くなってしまいましたが、ここからは日々の“根拠のある練習メニュー”の作り方について解説していきます。
手順は4ステップです。
STEP1.
自分が伸ばすべき身体スキルを明確にする。
STEP2.
1週間のルーティンを決める。
STEP3.
ポイント練習を設計する。
STEP4.
ポイント練習以外の練習を設計する。
それぞれのステップをサクサクッと説明していきます。
より細かい解説は各ステップのリンクから個別記事へどうぞ。
STEP1.
自分が伸ばすべきスキルを明確にする。
前の章でも述べましたが、「練習の目的」次第で練習の内容や練習への取り組み方は大きく変わります。
「練習の目的」とは、つまり
「どの身体スキルを伸ばしたいか」
ということです。
マラソン練習において考えるべき「身体スキル」とは、大きく以下の3つが挙げられます。
◼️マラソン練習で伸ばすべき主な「身体スキル」◼️
1. 最大スピード (VO2max = 最大酸素摂取量)
2. スピード持久力 (LT値 = 乳酸性作業閾値)
3. スタミナ
もちろん、細かいところを言えば「身体スキル」はもっとたくさんあるのですが、とりあえず基本的なものはこの辺りにまとめられると思います。
自分で練習メニューを作ることにまだ慣れていない段階では、とりあえずこの3つを押さえておきましょう。
【マラソンの走力を決定する3大要素まとめ】何を鍛えるべきか理解しよう
(1) VO2max (最大酸素摂取量)
→ VO2max(最大酸素摂取量)とは?【マラソンの走力決定要因①】
(2) LT値 (乳酸性作業閾値)
→ LT値(乳酸性作業閾値)とは?【マラソンの走力決定要因②】
(3) ランニングエコノミー(経済性)
→ ランニングエコノミー(経済性)とは?【マラソンの走力決定要因③】
とりあえずは、この3つのスキルを伸ばしていけばいいんだね!
じゃあ、これらのスキルを伸ばしたいときはどんな練習をすればいいの?
しかし、代表的な練習メニュー、広く実践されている練習メニューもありますので、ここではその一部を少し紹介しますね。
1. 最大スピード(VO2max = 最大酸素摂取量)を高める代表的なトレーニング
→「1000m(Iペース)×5本」や「400m(Iペース)×15本」
2. スピード持久力(LT値 = 乳酸性作業閾値)を高める代表的なトレーニング
→ 「2000m(Tペース)×3本」や「6~8km Tペース走 (30分間走)」
3. スタミナを高める代表的なトレーニング
→「30kmペース走」や「2~3時間LSD」
上記のようなものがそれぞれの練習目的に応じた代表的なトレーニングです。
でも同じ練習をするにしても、「練習の目的」を意識できてるかどうかで効果は違ってくるということか。
より細かい解説記事はこちら。
→ 【マラソン練習メニューの作り方 #1】自分が伸ばすべきスキルを明確にする。
STEP2.
1週間のルーティンを決める。
自分の伸ばすべき身体スキル、そしてそれらを伸ばす練習がある程度見えたら、次は「1週間のルーティン」を決めます。
なお、すでに「1週間のルーティン」が決まっている人はこの手順はスキップしてもOKです。
ここは個人差によるところも大きいとは思いますが、僕の考えではマラソン練習は「いかにルーティンを作って習慣化するか」が超重要と捉えています。
マラソン練習を日々継続していくことって難しいですよね。
練習しないといけないということは理屈では分かっていても、なかなかそれを実行に移すのが難しい。
みなさんも走りに出かける前に「今日は走りたくないなぁ〜」とウジウジしている間に1時間経っていたなんて経験が一度や二度はあるのではないでしょうか?
だから、僕は「予定した練習をいかにスムーズに実行に移せるか」をかなり重要視しているんです。
その方法の一つが「1週間のルーティン化」です。
例えば、
月 … ジョグ
火 … ジョグ
水 … ポイント練習(スピード系 or スピード持久力系)
木 … ジョグ
金 … 休養日
土 … ジョグ
日 … ポイント練習(スタミナ系)
といった具合です。
上記の例の場合、
「毎週水曜日と日曜日はポイント練習だからここだけは外さないようにしよう」
という意識を刷り込むのです。
※ポイント練習とは強化練習のことで、次章で改めて解説します。
一時の感情に流されないレベルまでルーティン化できたら強いですね。
より細かい解説記事はこちら。
→ 【マラソン練習メニューの作り方 #2】1週間のルーティンを決める。
STEP3.
ポイント練習を設計する。
マラソン練習には様々な種類がありますが、それらを敢えて大きく分類すると2種類に分けられます。
① ポイント練習 = 強化練習
② ポイント練習以外の練習 = 体力レベル維持、コンディション調整の為の練習
前章でも触れましたが、ポイント練習とは“強化練習”のことです。
このポイント練習では、STEP1の「あなたが伸ばすべき身体スキル」を向上させる為のトレーニングを行います。
マラソン練習においてはこのポイント練習を中心にトレーニング計画を組み立てるのが基本です。
週の真ん中である水曜日か木曜日に1回。
週末の土曜日か日曜日に1回。
例) ウエハラのポイント練習は「週に2回」が基本
水曜日 … スピード系かスピード持久力系を高めるポイント練習
日曜日 … スタミナを高めるポイント練習
これももちろん、その人の練習環境や状況によって変わります。
例えば日曜日にポイント練習ができない方もいると思いますので、そのあたりは個人の状況に合わせて調整すればOKです。
パターン毎のポイント練習設計は別記事で紹介したいと思います。
より細かい解説記事はこちら。
→ 【マラソン練習メニューの作り方 #3】ポイント練習を設計する。
STEP4.
ポイント練習以外の練習を設計する。
ポイント練習を設計したら、後は「ポイント練習以外の練習」の設計です。
「ポイント練習以外の練習」の目的は主に“体力レベル維持”や“コンディション調整”となります。
これは基本的には「ジョグ」でOKです。
“つなぎのジョグ”と言ったりもします。
ペースは?
自分の身体と相談しながら「体力レベルが落ちすぎない」というラインを探りながら練習することになりますね。
目安としては、「前の週のポイント練習と同じくらいの体力レベル」をキープすることをイメージすると良いと思います。
※ポイント※
自分の体力レベルを上げるのは、ポイント練習(強化練習)の時だけで十分。
“つなぎのジョグ”では頑張り過ぎない。
“つなぎのジョグ”で追い込み過ぎてオーバーワークになってしまっては本末転倒です。
そのあたりの線引きが難しくはありますが、基本的には怪我しないように気楽に走ると良いでしょう。
ただし、“つなぎのジョグ”で基礎体力を作っているからこそ、ポイント練習に良い状態で取り組むことができるのです。
決して“つなぎのジョグ”を軽視しないように。
より細かい解説記事はこちら。
→ 【マラソン練習メニューの作り方 #4】ポイント練習以外の練習を設計する。
おまけ:
「トレーニングプログラム / 練習メニュー」をGETする。
準備中
まとめ:
“根拠のある練習メニュー”の作成方法
では、まとめまーす。
【まとめ】
マラソン “根拠のある練習メニュー”の作成
1. 「練習の目的」を明確にし、一つ一つの練習に“根拠”を持つ。
2. 中・長期的なトレーニング計画から日々の練習メニューに落とし込む。
3. “根拠のある練習メニュー”の作成方法
STEP1.
自分が伸ばすべきスキルを明確にする。
STEP2.
1週間のルーティンを決める。
STEP3.
ポイント練習を設計する。
STEP4.
ポイント練習以外の練習を設計する。
以上のポイントをきちんと押さえて「練習メニュー」を考えれば、かなり精度の高いものが作れると思います。
そして、精度の高い練習メニューを実践することは、あなたの走力向上に直結します。
走力が向上すれば、それはすなわちあなたの目標達成もグッと近くなるということです。
ぜひみなさんも“根拠のある練習メニュー”を作って、実践し、自分の目標達成への最短距離を走っていってください。
マラソン練習では日々の練習メニューを考える前に、まず「目標」や「中・長期トレーニング計画」があるとスムーズです。
「トレーニング計画の立て方」については、以下の記事で解説しています。
目標やトレーニング計画の立て方が分からない方はこちらも併せて読むことをおすすめします。
→ 【まとめ】マラソン トレーニング計画の作成方法【4つの手順】
楽しいランニングライフを!