コラム

マラソンに「アミノ酸サプリメント」は要らない!?【栄養学的に解説】

ウエハラ
ウエハラ
こんにちは。
ウエハラです。

最近、“アミノ酸系”のサプリメントって多いですよね
あれって実際、効果あるんでしょうか?

今回は、そんなサプリメントの疑問について語ってみました。

文章読むのが面倒くさい方は動画でどうぞ。
聞き流しでも問題ない感じで作ってます。
↓↓↓

この記事を読んで欲しい人

レース時の補給用サプリメントどうやって選べばいいの?

サプリメントの種類がたくさんあり過ぎて、どれを選べばいいか分からない・・・

「アミノ酸サプリメント」ってぶっちゃけ効果あるの?

この記事を読むメリット

① 栄養学の基本的な知識を学ぶことによって「アミノ酸」サプリメントの効果が理解できる。

② レース時にどういうサプリメントを優先的に摂ればよいかが分かる。

この記事を書いている人

ランニング歴15年です。(2005年〜)
●セルフコーチングなので自分で勉強しながらトレーニングしてきました。
●フルマラソンベストは2時間37分30秒
●マラソン指導実績:3年間で8人がサブスリー達成
●保有資格:
NESTA-PFT (全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会-パーソナルフィットネストレーナー)

「アミノ酸」“エネルギー源”としては優秀ではない

まず始めに、アミノ酸とは何かざっくり思い出しましょう。

アミノ酸とは・・・

筋肉や皮膚、爪、髪の毛などの「タンパク質」を細かく分解したもの

つまり、アミノ酸とは私たちの身体組織を構成する重要な栄養素です。
まず前提として、ここは押さえておいてください。

では、その上で「アミノ酸」は“エネルギー源”としてはあまり優秀ではないという話をしていきます。
僕がこのように主張する理由を3つに分けて解説しますね。

[理由①]
アミノ酸が生み出すエネルギー量は少ないから。

ウエハラ
ウエハラ
ところで、「アミノ酸」のサプリメントって使ったことありますか?

ある!
なんとなく効果ありそうな気がしたから使ってみたことはあるよ
ウエハラ
ウエハラ
そうなんですね!

では、その「アミノ酸サプリメント」にはどれくらいのアミノ酸が含まれていたか覚えていますか?

う〜ん・・・
あんまり覚えてないや(汗)

現在、世の中にはたくさん「アミノ酸」系のサプリメントが販売されていますが、その多くは「アミノ酸2000mg配合!!」とか「アミノ酸4000mg配合!!」とか書かれていますね。

割と多くアミノ酸が含まれているもので「4000mg」といったところでしょうか。
「4000mg」とはつまり「4g」です。

ウエハラ
ウエハラ
ちなみに余談ですが、ここでサプリメントメーカー側が「4g」を敢えて「4000mg」と表記する理由は、「4000mg」の方が人間の心理的に「たくさん入っていそう」と錯覚してしまうからなんですよね。

サプリメント業界でよく使われるマーケティング手法の一つです。

た、確かに…!!
同じ量なのに「4g」よりも「4000mg」の方がインパクトあるなぁ。
ウエハラ
ウエハラ
では、この4gのアミノ酸が生み出す“エネルギー量”はどれくらいだと思いますか?
えっ、どれくらいのエネルギー量を生み出すか?
うぅ、考えたことないや。
ウエハラ
ウエハラ
答えは、「16 kcal」です。

16 kcal という数字は以下のように計算して求めることができます。

↓↓↓

アミノ酸が生み出すエネルギー量は4 kcal /g

4 kcal × 4g (4000mg) = 16 kcal

えっ!
アミノ酸って 4 kcal /g しかエネルギーを生み出さないの!?

4000mg摂っても16 kcal かぁ。
なんかぜんぜん足りなさそうな印象だけど・・・

ウエハラ
ウエハラ
そうですね。
フルマラソン(42.195km)のレースを走ると私たちの身体は2000 kcal 以上消費すると言われていますから、アミノ酸4g = 16 kcal くらいではエネルギー補給としてはとても十分とは言えませんね。

[理由②]
アミノ酸は一度にたくさん摂取することができないから。

そうだ!
じゃあ、たくさんアミノ酸サプリメントを摂ればどうかな?

例えば、アミノ酸が4000mg(4g)入っているサプリメントを10袋摂れば「160 kcal」になるじゃん!

ウエハラ
ウエハラ
理屈上はそうなるんですが、何事にも“適量”というものがありまして。

実はアミノ酸も一気に摂取しすぎると、内臓などに負担をかけてしまうと言われています。

その一方で、アミノ酸は摂り過ぎた分は体外に排出されるとも言われています。

しかし、世の中のアミノ酸サプリメントには多くても4g(4000mg)程度しか入っていないことが物語っているように、やはり「アミノ酸を一気に摂取しすぎるのは健康上リスクがある」と考えた方が良いでしょう。

[理由③]
“エネルギー源”としては「糖質」「脂質」の方が優秀だから。

そうなのかぁ・・・
僕は、結構マラソンの後半でエネルギー切れを起こしちゃうんだよね。

エネルギー切れを防ぐには一体どのサプリメントを選んだらいいんだろう?

ウエハラ
ウエハラ
基本的にレース時にサプリメントを補給するのは

・減少したエネルギーを補給する
・エネルギー切れを防ぐ

といったことが主な目的ですよね。

つまり、レース時においては「エネルギー補給」が大きな目的であって、しっかりエネルギーを生み出す栄養素を摂取することの優先順位が高いわけです。

ウエハラ
ウエハラ
というわけで、あなたがもしマラソンレース後半の「エネルギー切れ」に悩んでいるなら以下の栄養素を摂取する方が効果的です!

糖質 (グリコーゲン)

脂質 (トリグリセリド)

「糖質」「脂質」

この2つの方が“エネルギー源”としては効果が大きいんだね。

ウエハラ
ウエハラ
その通りです!

私たちにとっての三大栄養素は「糖質」「脂質」「タンパク質(アミノ酸)」と言われていますが、この中でも“エネルギー源”として主に使われるのは「糖質」「脂質」なのです。

ここで、“エネルギー”の側面から、三大栄養素のそれぞれの特徴を見ていきましょう。

[三大栄養素]

糖質 (グリコーゲン) ・・・ご飯、パン、パスタなど (炭水化物)

高強度(速いペース)の運動時に多く使われる。

脂質 (トリグリセリド)・・・油、バターなど

低強度(遅いペース)の運動時に多く使われる。

タンパク質 (アミノ酸)・・・肉、魚、卵など

→ 上記2つ(糖質、脂質)がかなり枯渇した状態で補助的に使われる

なるほど!
“エネルギー源”の中でもそれぞれ特徴があってどの栄養素が多く使われるかは、状況によって変わってくるんだね。
ウエハラ
ウエハラ
そうなんです。

以上のように、私たちの身体は“エネルギー源”としてメインで使っているのは「糖質」「脂質」

「タンパク質(アミノ酸)」はあくまで補助的な立ち位置、いわば最終手段のようなものなのです。

つまり、レース時の“エネルギー源”として補給を考えるのであれば「糖質」と「脂質」を優先的にとるべきであり、これらがしっかり摂取できて体内に貯蔵されているのであれば、「タンパク質(アミノ酸)」をエネルギーとして利用するということは起こらないのです。

ただし例外として、100kmを超えるようなウルトラマラソンやトレイルランといった“超耐久(エンデュランス)スポーツ”においては体内の「糖質」や「脂質」だけではエネルギーを賄えないこともあります。

そういった極限状態においては、私たちの身体は筋肉などの「タンパク質」を「アミノ酸」に分解し、そこからエネルギーを生み出すという反応を起こします。
これがいわゆる「筋肉分解(カタボリック)」です。

ウエハラ
ウエハラ
しかし、これはかなりレアなケースですよね。

フルマラソン(42.195km)においては、しっかり「糖質」等を補給しておけばエネルギー補給としては問題ないでしょう。

ちなみに、

「糖質」が生み出すエネルギー量は、4 kcal /g

「脂質」が生み出すエネルギー量は、9 kcal /g

です。

一見すると、「脂質」の方がエネルギー量が多いので「糖質」よりも「脂質」を補給する方が効果的じゃないかと思うかもしてませんが、僕はフルマラソンにおいては

糖質の摂取の方が優先順位は高い

と考えます。

なぜなら、フルマラソンのランニングペースはそこそこ速いペースなので「糖質」の消費量が多いからです。

前述しましたが、「脂質」がエネルギー源として多く使われるのは、フルマラソンよりもゆっくりのペース(低強度)の運動時なのです。

また、糖質の即効性(すぐにエネルギーに変換される)消化の良さ一度に多く摂取できる(30g摂れば120 kcal)といった点からも、フルマラソン時のエネルギー補給としては「糖質」をメインと考えると良いでしょう。

「アミノ酸サプリメント」正しい活用方法

なるほどねー

じゃあ、ぶっちゃけ「アミノ酸」のサプリメントって効果ないってこと??

ウエハラ
ウエハラ
いえいえ、そんなことはありません。

確かに、ここまで聞くと「アミノ酸サプリメントって効果ないのか」と思ってしまうかもしれませんが、今までの話はあくまで“エネルギー源”という観点からの話です。

「アミノ酸」という栄養素自体は、私たちの身体にとって大変重要な役割を担っています。

ちなみに、僕も実際に「アミノ酸サプリメント」は使っています。

それがこちら。
↓↓↓
「XTEND (エクステンド) BCAA (分岐鎖アミノ酸)」

という感じで、僕は決して「アミノ酸サプリメント」を全否定しているわけではなく、「アミノ酸」の効果を正しく認識して適切な使い方をしましょうということをお伝えしたいのです。

では、以下に「アミノ酸サプリメント」の正しい活用方法を僕なりのおすすめで3つ並べていきます。

トレーニング効果を高める目的で使う。

ウエハラ
ウエハラ
僕がおすすめする「アミノ酸サプリメント」の使い方はずばり・・・

「トレーニング時に使う」

です!

「トレーニング時に使う」??

「アミノ酸」は、筋肉などの「タンパク質」を細かく分解したものだと前述しました。
つまりアミノ酸は私たちの筋肉を構成している栄養素なわけです。

したがって「アミノ酸」には、以下のような働きがあると言えます。

[アミノ酸の働き]

筋肉の合成を促す

トレーニングで傷んだ筋肉を修復する

より強い身体組織を再合成する

私たちは日々トレーニングを行って、筋肉組織を壊します。
そしてその後、休養・回復を経て筋肉が再合成されるときに私たちの筋肉はより強い身体組織へと生まれ変わるのです。

これを繰り返していくことがトレーニングの本質ですね。

そして、トレーニング後の休養と併せて「タンパク質 (アミノ酸)」をしっかり補給することによって、筋肉の再合成はより効率的に行われます。

なぜなら、筋肉とは「タンパク質」であり、「アミノ酸」の集合体だからです。

言い換えるとつまり、「アミノ酸」は私たちの日々のトレーニングの効果を高めてくれるものと言えるでしょう。

なるほど、そういうことか!
要するに、トレーニング後の「プロテイン(タンパク質)」みたいなものだね。

で、「アミノ酸」の方が「タンパク質」よりも細かい物質ということか。

ちなみに、「プロテイン」や食事でのタンパク質を摂取するというのではダメなの?

ウエハラ
ウエハラ
もちろん「プロテイン」でも良いですよ!
あれも結局タンパク質(アミノ酸)なので。

ただ、やはりタンパク質を摂取するのであれば、肉や魚、卵、大豆など食品から摂取するのがおすすめです。

栄養素の摂取の基本は食事からです。

しかし、「アミノ酸サプリメント」の良いところとしては、トレーニング後すぐに摂取できるという点です。

しかも、「タンパク質」よりも細かい物質なわけですから吸収も早い

ウエハラ
ウエハラ
僕が使っている「XTEND (エクステンド) BCAA (分岐鎖アミノ酸)」は水に溶かして飲むタイプなので、練習前・練習中・練習後いつでも気軽に摂取できます。

1回あたり70円で安いですし、味も美味しくて愛用しています。

●サイベーション エクステンド
(Scivation XTEND)

※2019年5月〜2020年現在まで愛用中

 

ウエハラ
ウエハラ
もちろん必ずしもこのサプリメントでないといけないということではありません。
自分のお気に入りの「アミノ酸サプリメント」があればそれでも良いと思います。

ただ、僕的に「XTEND (エクステンド) BCAA (分岐鎖アミノ酸)」が今のところ一番コスパが良いように思えるのでおすすめです。

レース時「糖質」も一緒に補給する。

じゃあ、レース時に「アミノ酸」を摂取するのは意味がないの?
ウエハラ
ウエハラ
いえいえ。
レース時の「アミノ酸」摂取も全く意味がないというわけではありませんよ。

先ほども述べたように「アミノ酸」には筋肉の損傷を抑える効果もあるので、レース時に「アミノ酸」を摂取することでパフォーマンスが上がることもあるでしょう。

しかし、ここでお伝えしたいのは“優先順位”です。

やはり、僕的にはレース時のサプリメント選びにおいては“エネルギー補給”という点が重要だと思うのです。

私たちがフルマラソンを走るときは主に「糖質」をエネルギー源として使うわけですが、私たちの体内に貯蔵されている「糖質」だけではフルマラソンは走り切れないと言われています。

よく言われているのが、体内に貯蔵されている「糖質」が枯渇するのが大体レース時の30km過ぎ
これがいわゆる「エネルギー切れ」であり、30km以降にペースがガタ落ちするという「30kmの壁」と言われる理由の一つでしょう。

うう、確かに・・・。
僕も毎回「30kmの壁」には悩まされているよ。

あれは体内の「糖質」が枯渇するからなんだね。
だから、ちゃんとレース時には糖質を補給しないといけないのか。

ウエハラ
ウエハラ
そうなんですよね。
もちろんレース時の「アミノ酸」の摂取が全く無意味というわけではありませんが、実際のところエネルギー切れに悩むランナーの方が多いわけです。

そういったエネルギー切れを防ぐには「糖質」などのエネルギーを生み出すのに優れた栄養素を摂取する方が優先順位は高いのではないかと僕は思います。

市販されているサプリメントの中には「アミノ酸も含まれていて、かつエネルギー生成量が150~200kcalくらいのもの」もありますので、そういうサプリメントもおすすめです。

また、「アミノ酸サプリメント」と「エネルギー補給用の糖質サプリメント」の両方を摂るというのもアリだと思います。

「自分の悩みを解消してくれるサプリメントは何だろう?」
「自分がサプリメントを補給する際の優先順位は何だろう?」

そういったところを考えながらサプリメントを選んでみてください。

③ 「アミノ酸さえ摂っておけばOK」という短絡的な思考は捨てよう。

3つ目は「正しい活用方法」というよりは“注意喚起”みたいな感じですが。

「アミノ酸さえとっておけばOK」という短絡的な思考は捨てましょう。

近年はもう本当にたくさんのサプリメントがスポーツ店頭に並んでいて、一体どれを選べば良いか分からなくなってしまいますよね。

そこで、やはり「サプリメントを選ぶ基準」というものが必要になってくるのです。

ウエハラ
ウエハラ
僕としては、やはりレース時であれば、“エネルギー補給”の優先順位が高いと思います。

だから、レース後半のエネルギー切れに悩んでいるランナーには「糖質」をしっかり補給できるサプリメントを選ぶことをおすすめします。

他には例えば、レース後半で集中力が切れてしまいがちという方は、覚醒効果のあるカフェインが含まれたサプリメントを試してみるのもいいかもしれません。

逆にトイレが近いランナーは、カフェインには利尿作用があるので、カフェイン入りのサプリメントは避けた方が良いでしょう。

このように、栄養学の基本的な知識を学んだ上で、自分にとってのサプリメント選びの基準を持てば、適切なサプリメントの選び方や使い方が見えてくるでしょう。

ここまで読んでくださったランナーさんは、それぞれのサプリメントの効果をしっかり認識した上でサプリメントを選びましょう。

そして、適切な使い方をぜひ自分なりに模索してみてください。

◆まとめ

では、まとめまーす。

「アミノ酸」まとめ

「アミノ酸」は“エネルギー源”としては優秀ではない

[理由①]アミノ酸が生み出すエネルギー量は少ないから。

[理由②]アミノ酸は一度にたくさん摂取することができないから。

[理由③]“エネルギー源”としては「糖質」「脂質」の方が優秀だから。

 

「アミノ酸サプリメント」の正しい活用方法

① トレーニング効果を高める目的で使う。

② レース時「糖質」も一緒に補給する。

③「アミノ酸さえ摂っておけばOK」という短絡的な思考は捨てよう。

■参考書籍、リンク■

[参考書籍]

『運動・からだ図解 生理学の基本』(中島雅美 監修)

 

『ダニエルズのランニングフォーミュラ 第3版』(ジャック・ダニエルズ 著)

 

『基礎から分かる!中長距離トレーニング』(櫛部静二 著)

 

『ランニングの科学』(鈴木清和 著)

 

『中長距離・駅伝』(両角速 著)

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ウエハラ
ウエハラ
以上、ウエハラでした。

楽しいランニングライフを!