「効果的なマラソントレーニング方法を学びたい」という方へ。
ウエハラです。
このブログは主にマラソンでサブ3(3時間切り)を目指している方に向けて記事を書いていますが、本記事はマラソン初心者でも参考になる内容を書いていきますので、マラソン初心者も敬遠せずにどうぞご覧くださいませ。
この記事を読んでいる方でこういう方はいらっしゃいませんか?
え。マラソンの練習ってただ走るだけじゃダメなの?
他にどんな練習があるの?
「これからマラソンを始めてみたい」という方は、そもそもマラソン練習って何をすればいいのか分からないですよね。
ただ毎日なんとなく走っているだけでもある程度は練習になるかもしれませんが、それだと非効率的だったり、間違ったやり方だとすぐに怪我をしてしまいます。
それらをうまく使いこなすことによってより効果的なマラソン練習が行えますよ。
というわけで、今回は数あるマラソントレーニングを5種類にまとめて紹介してみました。
『5種類の基本マラソントレーニング』
これについて、解説していきたいと思います。
主に初心者向けです。
サブ3を狙うレベルの人は知っている内容がほとんどだと思いますので、復習程度にサラッと読んでもらえれば。
それぞれのトレーニングについてすぐに飛んでいきたい人のために、
一応こちらにも関連記事をまとめておきます。
(本記事の最下部にもリンクあります。)
↓↓↓
関連記事:ジョグ / Jog とは?【基本のマラソントレーニング①】
関連記事:LSD とは?【基本のマラソントレーニング②】Long Slow Distance
関連記事:ペース走 とは?【基本のマラソントレーニング③】Pace Run
◆動画での解説はこちら◆
必ず押さえておきたい!基本マラソントレーニング【5種類まとめ】
↓↓↓
■この記事を読んで欲しい人■
①
②
他にどんな練習があるの?
③
今一度「マラソントレーニングの種類」について基本的なところを整理しておきたいな。
■この記事を読むメリット■
①5種類の基本マラソントレーニングについて理解できる。
②5種類のトレーニングそれぞれの概要が分かる。
■この記事を書いている人(ウエハラ)■

●ランニング歴15年(2005年〜)です。
●セルフコーチングなので自分で勉強しながらトレーニングしてきました。
●フルマラソンベストは2時間37分30秒。
●マラソン指導実績:3年間で8人がサブスリー達成。
●保有資格:NESTA-PFT (全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会-パーソナルフィットネストレーナー)
Contents
マラソン練習にはいろんな種類がある。
→今回は【5種類】にまとめて紹介します。
本記事でまずお伝えしたいのが、
マラソントレーニングには様々な種類がある
ということなんですね。
でも、あまりにも偏った練習をしていると、思ったように記録が伸びなかったり、怪我をしてしまったりすることもあるんですよ。
せっかく練習をするなら記録を伸ばしたいもんなぁ。
マラソンの記録を伸ばす為には、一つの練習に偏るのではなく、いろんな練習をバランス良く取り入れないといけないってことか。
世の中にはマラソン界の先人達が編み出した素敵な(意味深)練習がたくさん存在するので、今回はそれらを5つに分類して紹介していきますね。
① ジョグ (Jog)
1種類目は、「ジョグ (Jog)」。
「ジョグ」は、マラソン練習の基本中の基本ですね。
「ジョグ」はマラソン練習の大部分を占めます。
「ジョギング」という名の通り、割とゆっくりペース、ラクに感じるペース、会話ができるくらいのペースで走ります。
とはいえ、ジョグのペースは人によって様々ですので、「どれくらいで走らないといけない」とかは気にし過ぎなくてOKです。
主な目的
■「ジョグ (Jog)」の主な目的■
① マラソンを走る上での「基礎スタミナ」を養成する。
② 体力レベルを維持する。
③ 疲労を抜く(リカバリー)。
「ジョグ」は、マラソンを走る上での「基礎スタミナ」を養成します。
そして、「ジョグ」はマラソン練習の大部分を占めるわけですから、マラソン練習において「基礎作り」がどれだけ重要かが分かります。
この後に紹介するスピード練習や強度の高いポイント練習もたくさんあるのですが、それらはジョグで培った「基礎」「土台」の上に成り立つものです。
マラソン練習を行う上では「頑丈な基盤作り」を常に念頭におきましょう。
練習例
■「ジョグ (Jog)」の練習例■
① 50分~80分 ジョグ (基礎スタミナ養成) ※スローペース~Eペース
② 40分~60分 ジョグ (体力レベルの維持) ※Eペース
③ 15分~40分 ジョグ (リカバリー) ※スローペース
ジョグの取り組み方は個人差が非常に大きいので、日々の自分の状態・コンディション・レベルに合わせて調整してみてください。
ちなみに、「ダニエルズ理論」においては普段のジョグはEペースで走るのが良いと言われていますが、これも絶対的に守らないといけないわけではなく、あくまで参考にする程度で良いです。
いろいろなペースで試してみてください。
メリット & デメリット
[メリット]
●「基礎スタミナ」を養うことで、マラソンというスポーツに十分耐えられる身体を作る事ができる。
●トレーニング強度が低くラクな練習なので、日々継続的に取り組める。
[デメリット]
●トレーニング強度が低くラクな練習であるため、練習全体がジョグに偏ってしまいがち。
→スピード不足や出力を上げる事が出来ない(追い込めない)といった状態になる可能性がある。
② LSD (ロング・スロー・ディスタンス / Long Slow Distance)
2種類目は、「LSD (ロング・スロー・ディスタンス / Long Slow Distance)」。
とか、思わないでくださいまし。
「LSD」という言葉を分解すると・・・
Long … 長く
Slow … ゆっくり
Distance … 距離
ということで、要するに「ゆっくり長い距離を走る」練習ですね。
主な目的
■「LSD (Long Slow Distance)」の主な目的■
① マラソンを走る上での「基礎スタミナ」を養成する。
② 長時間の運動に耐えられる脚力や全身のタフさを養成する。
③ 毛細血管の発達を促し、酸素運搬能力を高める。
LSDの目的は、「基礎スタミナ」を養成するという意味ではジョグと似ています。
ある意味ジョグの延長線上にある練習ではあるのですが、
・ペースが遅い
・走る距離(時間)が長い
という点から、ジョグとは別物として分類しました。
ジョグよりペースが遅い為、(瞬間的な)トレーニング強度は低く、その分トレーニング時間が長いといったスタイルです。
練習例
■「LSD (Long Slow Distance)」の練習例■
① 距離を基準にするパターン
→ 20~40km LSD (Long Slow Distance)
② 時間を基準にするパターン
→ 120~180分 LST (Long Slow Time)
練習パターンとしては、
① 距離を基準にするパターン (LSD)
② 時間を基準にするパターン (LST)
が挙げられます。
どちらの場合もとにかく長時間身体を動かし続ける事が重要なので、そこのポイントを押さえましょう。
また上記では「20~40km LSD」「120~180分 LST」と書いていますが、いきなりこの長距離・長時間を走るのは厳しいという方は60分ジョグとかから少しずつ時間と距離を伸ばしていけばOKです。
どっちがいいんだろう・・・?
なぜなら、時間を基準にすると距離やペースを気にする必要がなく気楽だからです。
LSD/LSTでは、とにかく長時間身体を動かし続ける事がポイントです。
逆に、長時間走ることになるので、飽きない工夫が大事です。
気負わず景色の良いコースなど選んで楽しんで走りましょう。
メリット & デメリット
[メリット]
●長い距離への身体的・精神的な耐性が身に付く。
●マラソンのレース後半でも動くような脚・身体が作れる。
[デメリット]
●レースと比べてかなり遅いペースで走ることになるので、LSDをやり過ぎるとスピードが出せなくなる可能性がある。
●心肺機能的にはラクな練習なので、他の練習やレース本番において心肺機能を十分に追い込めなくなる可能性がある。
●長時間走る為、いびつなフォームで走り続けていると怪我のリスクが高い。
③ ペース走 (Pace Run)
3種類目は、「ペース走 (Pace Run)」。
「ペーラン」と略すると、ちょっと玄人っぽく聞こえますよ。
ペース走はその名の通り「あるペースを設定して走ること」です。
なお、どんなペースで走るかによってその効果は少し変わってきます。
主な目的
■「ペース走 (Pace Run)」の主な目的■
① 一定のペースに対して、心肺機能や身体の動き(リズム)を慣れさせる。
② ペース感覚を養成し、自分でペースをコントロール出来る力を身に付ける。
③ 一定のペースに対して、精神的に慣れる。
練習例
■「ペース走 (Pace Run)」の練習例■
① 4000m ~ 8000m 閾値ペース走 ※T(閾値)ペース
② 12km ~ 16km Mペース走 ※Mペース
ペース走の主なパターンとしては
・上記①②のように一定のペースを維持して走る一定ペース式。
・上記③④のようにペースを徐々に上げていくビルドアップ式。
があります。
ビルドアップ式のペース走は、
・最初はやや遅いペースで走り始め怪我のリスクを下げる。
・徐々にペースを上げることで、ペースアップ感覚を養える。
・最後にスピードアップして終われる。
など、様々なメリットがあります。
メリット & デメリット
[メリット]
●それぞれのペースで走る事で、そのペースへの耐性、慣れを身に付ける事ができる。
●ペース感覚を養成し、ペースを自分でコントロールできるようになる。
[デメリット]
●ペースを維持したりコントロールしたりするには、高い集中力が必要とされるため、1人で実施するのが難しい。
→複数人で行うのがオススメ。
④ インターバル (Interval)
4種類目は、「インターバル (Interval)」。
しかし、インターバルの効果や目的を正確に理解して練習している方は意外と少ないのではないのでしょうか?
インターバルを簡潔に定義すると・・・
インターバル:
速いランニング(疾走)と短めの休憩(リカバリー)を繰り返すトレーニング
です。
インターバルは疾走距離や繰り返す本数、リカバリーの長さなどで様々なバリエーションを組む事ができます。
そして、それらの要素の組み合わせにより期待できる効果も変わってきます。
主な目的
■「インターバル (Interval)」の主な目的■
① 有酸素的“最大スピード”を養成する。
(VO2max = 最大酸素摂取量 の向上)
※Iペースで走る場合
② “ラクに走れる最速スピード”を引き上げる。
(LT値 = 乳酸性作業閾値 の向上)
※T(閾値)ペースで走る場合
③ 速くて大きい動きを習得する。
④ 速筋に刺激を与える。
練習例
■「インターバル (Interval)」の練習例■
① 1000m × 5本 インターバル
P(ペース):Iペース
R(リカバリー) = 200m ジョグ (90~120秒)
② 400m × 10~15本 インターバル
P(ペース):Iペース
R(リカバリー) = 200m ジョグ (60~90秒)
③ 2000m × 3本 クルーズインターバル
P(ペース):T(閾値)ペース
R(リカバリー) = 3~4分 ジョグ
なんか数字ばかりで難しそう・・・
なので初めてインターバルに挑戦する際は、経験者と一緒に実施するのがオススメです。
メリット & デメリット
[メリット]
●マラソンのような長距離レースにも活きるスピードが身に付く。
●疾走を小分けにする事で、一度に走るよりも、速いスピードで走る総距離を増やす事ができる。
●マラソンペース(Mペース)に対する余裕度が高まる。
[デメリット]
●トレーニング強度がやや高いため、あまり頻繁に実施するのが難しい。
(個人差はあるが、週1回がオススメ)
●身体が充実していない状態で行うと、怪我のリスクが高まる。
●高い集中力を要するので、1人で実施するのが難しい。
⑤ レペティション (Repetition)
5種類目は、「レペティション (Repetition)」。
なお、このレペティショントレーニングはかなり強度が高い練習なので初心者にはそこまでやる必要がないかもしれません。
ただ、サブ3を狙うくらいのレベルの方だと、このレペティショントレーニングを取り入れる事で一気に能力が向上する可能性があります。
レペティションを簡潔に定義すると・・・
レペティション :
速いランニング(疾走)と長めの休憩(リカバリー)を繰り返すトレーニング
です。
一見インターバルと似ていますが、違いは「休憩(リカバリー)の長さ」。
レペティションでは体力が十分に回復するまで長めの休憩(リカバリー)をとり、その分疾走スピードを上げます。
主な目的
■「レペティション (Repetition)」の主な目的■
① 無酸素的“最大スピード”を養成する。
※Rペースで走る場合
② 有酸素的“最大スピード”を養成する。
(VO2max = 最大酸素摂取量 の向上)
※Iペースで走る場合
③ “ラクに走れる最速スピード”を引き上げる。
(LT値 = 乳酸性作業閾値 の向上)
※T(閾値)ペースで走る場合
④ 速くて大きい動きを習得する。
⑤ 速筋に刺激を与える。
練習例
■「レペティション (Repetition)」の練習例■
① 400m × 5~10本 レペティション
P(ペース):Rペース
R(リカバリー) = 2~3分
② 3000m + 2000m + 1000m レペティション
P(ペース):Tペース + Iペース + Rペース
R(リカバリー) = 6~8分 (3kmと2km間) – 3~5分(2kmと1km間) (体力が十分に回復するまで)
レペティションも疾走距離や繰り返す本数、リカバリーの長さなどで様々なバリエーションを組む事ができます。
そしてインターバルと同様、それらの要素の組み合わせにより期待できる効果も変わってきます。
メリット & デメリット
[メリット]
●限界に近いレベルまで身体を追い込むので、自分の現状の実力を把握できる。
●速い動きを取り入れる事で、ランニングフォームの改善に繋がる。
●一度限界に近いレベルまで追い込むと、その後心肺機能や動きが一段階引き上がる。
[デメリット]
●トレーニング強度が非常に高いため、あまり頻繁に実施するのが難しい。
(初心者は特に実施しなくてもOK)
●身体が充実していない状態で行うと、怪我のリスクが高まる。
●高い集中力を要するので、1人で実施するのが難しい。
練習の目的に応じて、様々なトレーニングを使い分けよう
基本のマラソントレーニング5種類をざっと紹介してみました。
いかがでしたか?
こんなにたくさんの練習をやらないといけないの・・・
自分が今必要とするトレーニングは何か、何を鍛えるべきか、次第です。
自分が鍛えるべきはスタミナなのか、スピードなのか、脚力なのか、フォームなのか・・・
鍛えるべきところが分かれば、どういうトレーニングをすればいいかも見えてきますよね。
つまり、目的に応じて様々なトレーニングを使い分けろって事だね。
ただ、マラソン練習をする上でどういうところを鍛えればいいのか分からないという方もいると思います。
そういった方はぜひ以下の記事群も読んでみてください。
マラソンの走力を決定する3大要素はこちら。
押さえておきたいマラソンの基本知識です。
お時間あるときにどうぞ。
↓↓↓
関連記事:【マラソンの走力を決定する3大要素まとめ】何を鍛えるべきか理解しよう
関連記事:VO2max(最大酸素摂取量)とは?【マラソンの走力決定要因①】
◆まとめ
では、まとめまーす。
■『5種類の基本マラソントレーニング』について、押さえておきたいこと■
①『5種類の基本マラソントレーニング』は・・・
⑴ ジョグ (Jog)
⑵ LSD (ロング・スロー・ディスタンス / Long Slow Distance)
⑶ ペース走 (Pace Run)
⑷ インターバル (Interval)
⑸ レペティション (Repetition)
② マラソン練習には様々な種類があるので、一つの練習に偏らず、目的に応じて様々な練習を使い分けよう。
■参考書籍、リンク■
[参考書籍]
■『ダニエルズのランニングフォーミュラ 第3版』(ジャック・ダニエルズ 著)
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■『基礎から分かる!中長距離トレーニング』(櫛部静二 著)
(2021/02/25 20:16:08時点 Amazon調べ-詳細)
■『ランニングの科学』(鈴木清和 著)
(2021/02/25 20:16:23時点 Amazon調べ-詳細)
■『中長距離・駅伝』(両角速 著)
(2021/02/25 20:16:09時点 Amazon調べ-詳細)
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楽しいランニングライフを!