ダニエルズ理論

Mペース(マラソン ペース / Marathon Pace)とは?【ダニエルズ理論④】

 

「効果的なマラソントレーニング方法を学びたい」という方へ。

ウエハラ
ウエハラ
こんにちは。
ウエハラです。

このブログは主にマラソンでサブ3(3時間切り)を目指している方に向けて記事を書いていますが、本記事はマラソン初心者でも参考になる内容を書いていきますので、マラソン初心者も敬遠せずにどうぞご覧くださいませ

本記事は、もはやマラソンランナーにとっての“バイブル”“教科書”とも言える

『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』 / ジャック・ダニエルズ 著

こちらの書籍を基に、その内容をなるべく分かりやすく、かつ本格的に解説していきたいと思います。

では今回は「ダニエルズ理論」シリーズ第4弾として。

Mペース (マラソン ペース / Marathon Pace)

これについて解説してみようかと思います。

※なお、本記事は前提知識として“5種類のトレーニングペース”について知っておいた方がより理解しやすいと思います。
“5種類のトレーニングペース”については以下の記事に書いていますので、まだ読んでない方は先に以下の記事を読むことをおすすめします。

↓↓↓

関連記事:【マラソン練習】どれくらいのペースで走るべき?5種類のペースまとめ【ダニエルズ理論②】

◆動画はこちら◆
↓↓↓

この記事を読んで欲しい人

マラソン初心者
マラソン初心者
前の記事を読んで“5種類のトレーニングペース”があるということは理解できたよ!
今度はその中の『Mペース』について知りたいぞ!

サブ3したい人
サブ3したい人
僕の走力レベルだと、『Mペース』ってどのくらいになるんだろう・・・?

サブ3したい人
サブ3したい人
『Mペース』については大体知ってるし、自分の『Mペース』も知っているんだけど、実際の練習でどのように『Mペース』を活用していけばいいのかがイマイチ分からないな・・・
具体的な練習法は何があるの??

この記事を読むメリット

『Mペース (マラソン/Marathon)』の概要を理解できる。

自分のレベルに応じた『Mペース』が分かる。

『Mペース』の活用の仕方具体的な練習例が分かる。

この記事を書いている人(ウエハラ)

ランニング歴15年(2005年〜)です。
●セルフコーチングなので自分で勉強しながらトレーニングしてきました。
●フルマラソンベストは2時間37分30秒
●マラソン指導実績:3年間で8人がサブスリー達成
●保有資格:NESTA-PFT (全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会-パーソナルフィットネストレーナー)

『Mペース (マラソン ペース / Marathon Pace)』 とは?

マラソン初心者
マラソン初心者
要するに『Mペース』って何?

『Mペース』とは、「ダニエルズ理論」における“5種類のトレーニングペース”の一つです。

『M』とは、「Marathon / マラソン」を表しています。

『Mペース (マラソン ペース / Marathon Pace)とは、
フルマラソンのレースペース

まずは、『Mペース』の運動強度についてです。
これはもう簡単に予想できますよね。
言葉通りです。

Mペースの強度

フルマラソンのレースペース

ちなみに、生理学的な数値で『Mペース』の運動強度を表すと以下のようになります。

Mペースの強度
(生理学的な基準値)

VO2max(最大酸素摂取量)の75~84%
HRmax(最大心拍数)の80~89%

上記の数値は特に覚える必要はないですが、参考程度に頭の片隅に置いておくと良いかと。

例えて言えば、

*VO2max(最大酸素摂取量)1000m×5本インターバルの時のペースにほぼ等しいので、『Mペース』はその約7.5~8.5割の努力感ですね。

『Mペース』トレーニングの目的

ここで、ダニエルズ氏のこの言葉を思い出してください。

常に必要なのは、「この練習の目的は何か」という問いに答えられることだ。

『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』 / ジャック・ダニエルズ 著 より

はい。
では、『Mペース』で走ることによってどういったトレーニング効果が得られるのでしょうか?

Mペーストレーニングの主な目的

①実際の(フルマラソンの)レースペースに慣れる
②設定したレースペースで走ることで自信を付ける

非常にシンプルですね。

例えば、フルマラソンでサブ3が目標の方であれば、目標レースペースは4:14/kmですよね。
この目標レースペースである4:14/kmで走ることにより、レースを疑似体験するのです。

そして、

・レースペースで走って、身体はどういう反応をするのか

・レースペースで走って、余裕はあるか、ないか

・果たしてこのペースで42.195km持つのかどうか

といったことを確認します。

これらの確認作業を普段の練習から行っておくことで、現状の自分に不足している点改善点を見つけることができます。

また、練習時に余裕を持って『Mペース』で走れた場合は、レースで目標を達成するイメージが明確になり、自信が付きます

なお「ダニエルズ理論」によれば、『Mペース』の目的は設定したペースに対する自信を付けることであり、メンタル的な効果が主であると定義されています。

さらに、
『Mペース』の生理学的な効果は『Eペース』とまったく変わらない。
とも言われています。

この説には賛否両論ありますが、個人的には『Mペース』のランニングを行うことで精神面だけでなく身体的(心肺機能および筋肉)にも変化は現れるように感じます。

以上を踏まえて、『Mペース』トレーニングにどれくらい重きを置くかは人それぞれですが、いずれにしろ自分の現状と目的に応じて練習計画を組み立てることが重要になってくるでしょう。

自分の『Mペース (マラソン ペース / Marathon Pace)』を知ろう!

サブ3したい人
サブ3したい人
ほほぉ。『Mペース』は要するに「フルマラソンのレースペース」ってことかぁ。

じゃあ、自分の『Mペース』を求めるのも簡単だね!

ウエハラ
ウエハラ
そうですね!
“5種類のトレーニングペース”の他のペース(E、T、I、Rペース)は計算するのがちょっとややこしいんですが、『Mペース』は単純に「フルマラソンのレースペース」なので分かりやすいですね。

ということで自分の『Mペース』を知りたい方は勝手に計算してください!
・・・と丸投げしてもいいのですが、せっかくなので簡単に計算できる方法を3つ紹介しておきます。

代表的な走力レベル別の『Mペース』

ウエハラ
ウエハラ
まずは、代表的な走力レベルの『Mペース』をお見せしますね。

走力レベル(VDOT)別のMペース表

レベル VDOT フルマラソン Mペース
サブ2.5 67 2:28:40 3:31 /km
サブ3.0 54 2:58:47 4:14 /km
サブ3.5 45 3:28:26 4:57 /km
サブ4.0 38 3:59:35 5:45 /km
サブ5.0 29 4:58:00 7:02 /km
サブ6.0 23 5:56:30 8:23 /km

 

サブ3したい人
サブ3したい人
おお!ありがたい!
僕の目標はサブ3だから『Mペース』は 4:14 /kmかぁ。

これくらいのペースで『Mペース』トレーニングをこなせるようになれば、サブ3達成はかなり現実的になってくるということだね!

ウエハラ
ウエハラ
その通り!
でも、いきなりサブ3レベルの練習をするのは負荷が高過ぎるので、まずは現状に合ったレベルから練習していきましょう
現状の自己ベストはどれくらいですか?
サブ3したい人
サブ3したい人
そうかそうか。
段階を踏んでいかないといけないということだね。

僕の今の自己ベストは「3時間15分」
「3時間15分」の走力の人だと『Mペース』はどれくらいになるんだろう?

ウエハラ
ウエハラ
では、「3時間15分」の走力レベルにおける『Mペース』を計算していきましょう!

より細かい『Mペース』を求める方法は以下の通りです。

自分の『Mペース』を求める方法

①オンラインサービスの「VDOT計算ツール」を使う。

②書籍『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』を読む。

①オンラインサービスの「VDOT計算ツール」を使う。

まず1つ目は、オンラインで簡単に自分の『Mペース』を調べる方法。
無料です。

それは、「VDOT計算ツール」を使うこと。

『VDOT』=“走力”

“5種類のトレーニングペース(E、M、T、I、R)”は、各個人の「走力レベル」によって異なるということでしたね。

ということは、まず自分の「走力レベル」を把握する必要があります。
そこで分かり易い指標となるのがVDOT

そして、その『VDOT』を基に計算して、あなたの走力レベルに応じた“5種類のトレーニングペース”を導き出すという手順です。

『Mペース』“5種類のトレーニングペース”の一つですから、その中から『Mペース』を確認すればOKです。

「VDOT計算ツール」を使って
自分の「VDOT」=“走力レベル”を確認する。

↓↓↓

「VDOT」から“5種類のトレーニングペース”を計算する。

↓↓↓

③ ②で求めた“5種類のトレーニングペース”の中から
『Mペース』を確認する。

僕が使っているオンラインの「VDOT計算ツール」はこちら。
ここから、あなたのVDOTおよび5種類のトレーニングペースを計算できます。
↓↓↓

『Jack Daniels’ VDOT Running Calculator』
/ Run SMART Project

英語サイトではありますが、使い方は簡単なので英語が分からない方でも慣れれば問題なしです。

このサイトの使い方については別記事で解説しますね。
↓↓↓

②書籍『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』を読む。

次は、書籍で調べる方法。
↓↓↓

『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』 / ジャック・ダニエルズ 著

ぶっちゃけ無料で手っ取り早く「VDOT」および“5種類のトレーニングペース”を調べたいだけであれば、1つ目で紹介したオンライン「VDOT計算ツール」を利用すればOKです。

ただし、「VDOT計算ツール」では特定のタイムで検索した分しか分かりません。

その一方で、書籍の『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』には、「VDOT表」が記載されており様々なレベルのランナーに対応した「VDOT」“5種類のトレーニングペース”が一目で分かります

また、もちろんそれだけではなくこのブログでは紹介しきれないような深いところの解説までたっぷり収録されていますので、ランナーであれば手元に1冊置いておきたい良書ですね。

『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』 / ジャック・ダニエルズ 著

サブ3したい人
サブ3したい人
①の「VDOT計算ツール」を使ってみたけど、めっちゃ簡単に自分の『Mペース』が分かったぞ。

僕の現状自己ベストは3時間15分
これはVDOT = 48.7に値するようだ。

そして、求められた『Mペース』は・・・ 4:37 /km

ウエハラ
ウエハラ
お!
「VDOT計算ツール」をバッチリ使いこなせていますね!

『Mペース』はレースをイメージしながら走りたい時には大変有効なので、ぜひ意識的に活用してみてください。

『Mペース (マラソン ペース / Marathon Pace)』
活用方法具体的な練習例

サブ3したい人
サブ3したい人
『Mペース』については大体理解できたけど、実際の練習でどのように『Mペース』を活用していけばいいのかがイマイチ分からないな・・・
具体的な練習法は何があるの??
ウエハラ
ウエハラ
では、実際に『Mペース』の練習としてはどのようなものがあるか見ていきましょう。

早速、練習メニュー例を出していきます。

具体的な練習メニュー例

12~16km Mペース走
12~24km ビルドアップ(E~M)ペース走

12~16km Mペース走

こちらは単純にMペース12~16km走り通すペース走ですね。

サブ3したい人
サブ3したい人
確かに単純で分かりやすいね!

でも、なんで距離は「12~16km」なの?
何か理由があるのかな?

Mペース走の距離が「12~16km」である理由は・・・

一定のペースにおいて、

普段のポイント練習で走れる距離 × 3
= (ピーキングをして臨む)レース時に走れる距離

(ピーキング = 調整)

と言われているからです。

つまり、フルマラソンに関して言えば

一定のペース(例えば4:14/km = サブ3ペース)において、

普段のポイント練習で走れる距離(約14km) × 3
= (ピーキングをして臨む)レース時に走れる距離 (42.195km)

ということになります。

もっと分かりやすく言い換えるならば、

一定のペース(例えば4:14/km = サブ3ペース)で14km走れた。

↓↓↓

ピーキングをしてフルマラソン(42.195km)を走れば
サブ3できる(可能性が高い)。

特に明らかな情報のソースがあるわけではありませんが(もし研究論文などあれば教えてもらえると嬉しい・・・)、一つの目安にはなりますね。

僕の経験上からも実際にこの式通りに結果を出せることが多くて、僕が自己ベスト(2時間37分30秒 = 3:45/km)を出した時は、練習でも3:45/kmペースで14km程度走っていました

また、僕が所属するランニングクラブにおいても「12~15km程度のMペース走」を行うのですが、他のランナーの方々も大体この式に当てはまっていましたね。

この練習でサブ3を達成する方を身近で数多く見てきましたので、僕の観測上はかなり信憑性の高い式だと思っています。

12~24km ビルドアップ(E~M)ペース走

⑴の発展形として、⑴よりやや距離を長くしたペース走です。

距離を長くする(実際のフルマラソンの距離に近づける)ことで、フルマラソンのレース時における再現性を高めるのが狙いです。

ただし、普段の練習において『Mペース』で24kmも走るのは若干負荷が高過ぎるかもしれないので、24km走る場合は前半8kmくらい(総距離の3分の1)は『Eペース』で走るのがオススメです

また、この練習はレース期、つまり寒い冬の時期(11月~2月)に行うことが多いと思いますが、寒い日にいきなりレースペースで走ると怪我のリスクも高まります。
そういった怪我のリスクを回避する意味でも前半はペースを抑えて入り、後半徐々にペースを上げていくというやり方をオススメします。

今回は、2つの練習メニュー例を出しました。

12~16km Mペース走
12~24km ビルドアップ(E~M)ペース走

両者ともポイントは、やはり本番のレースをイメージしながら走るというところですね。

上記の練習を、「ガムシャラにもがいて、どうにかこうにか走り切ることができた」としても、それでは本番レースでの再現性はあまり高くないでしょう。

本番レースでの再現性を高めるには余裕を持つことが必須。

このペースでフルマラソンを走り切るんだという意識を持って、余裕を保ちながら走ること『Mペース』トレーニングにおいては重要です。

◆まとめ (3つ)

では、まとめまーす。

『Mペース(マラソン/Marathon)』について、押さえておきたいこと

『Mペース』とは「フルマラソンのレースペース」

『Mペース』トレーニング行うことによってレースペースに対して身体がどういう反応をするのか確認し、そこから課題を発見することができる。
また、レースペースに対する自信を付けることができる。

『Mペース』トレーニングの具体的な練習メニュー例は・・・
12~16km Mペース走
12~24km ビルドアップ(E~M)ペース走

■参考書籍、リンク■

『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』 / ジャック・ダニエルズ 著

「ダニエルズ理論が絶対的に正しいという訳ではありませんが、40年以上もの長い間長距離ランナーの間で愛読されている本であり、現在巷に出回っているマラソン理論書のほとんどはこの「ダニエルズ理論」に基づいていると言われています。

まさに“長距離ランナーの教科書”ですね。
僕も大変参考にしていて何度も読み返しています。

ランナーであれば一度は読んでおいた方が良い本です。

「ダニエルズ理論」シリーズ関連記事

「ダニエルズ理論」はとてもボリューミーな内容です。
1つの記事で解説するのは到底無理なので、シリーズ化して解説していきますので、ご興味ある方は以下から少しずつ読み進めてみてください。

↓↓↓

ウエハラ
ウエハラ
以上、ウエハラでした。

楽しいランニングライフを!