「効果的なマラソントレーニング方法を学びたい」という方へ。
ウエハラです。
このブログは主にマラソンでサブ3(3時間切り)を目指している方に向けて記事を書いていますが、本記事はマラソン初心者でも参考になる内容を書いていきますので、マラソン初心者も敬遠せずにどうぞご覧くださいませ。
本記事は、
「マラソンの走力を決定する3大要素」
について解説したいと思います。
◆動画はこちら◆
↓↓↓
■この記事を読んで欲しい人■
①
②
そもそも、マラソン練習ってどんな能力を鍛えれば良いんだろう??
③
でも、最近記録が頭打ちで停滞気味・・・
何か突破口を見出したい。
■この記事を読むメリット■
①マラソンの走力決定3大要素を理解し、マラソン練習の本質を学べる。
②マラソンの記録を伸ばす為に、自分のどういう能力を鍛えるべきかが分かる。
③マラソンの走力決定3大要因
「VO2max (最大酸素摂取量)」
「LT値 (乳酸性作業閾値)」
「ランニングエコノミー (経済性)」
の概要が分かる。
■この記事を書いている人(ウエハラ)■

●ランニング歴15年(2005年〜)です。
●セルフコーチングなので自分で勉強しながらトレーニングしてきました。
●フルマラソンベストは2時間37分30秒。
●マラソン指導実績:3年間で8人がサブスリー達成。
●保有資格:NESTA-PFT (全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会-パーソナルフィットネストレーナー)
Contents
マラソンの走力決定要素【3つ】
「マラソンの走力を決定する要素は大きく3つある!」
マラソン初心者もマラソン経験者はこれだけは押さえておきましょう。
マラソンの走力を決定する3大要素は以下の通りです。
以上の3つの能力を高めればマラソンの記録は確実に伸びます。
それぞれの要素についてのより細かい解説は別記事で書いていますので、この記事を読んでより深く理解したいと思った方は併せて読んでみてください。
↓↓↓
「自分のどういう能力を鍛えるべきか」を知ろう
「LT値」
「ランニングエコノミー」・・・
いきなり難しい言葉がたくさん出てきたなぁ。
なぜこれらを理解する必要があるの?
でもこの「マラソン走力決定3大要素」を理解することで、
マラソンの記録を伸ばす為に「自分のどういう能力を鍛えるべきか」を知ることが出来るんです。
「マラソン走力決定3大要素」とはつまり、
「VO2max (最大酸素摂取量)」
「LT値 (乳酸性作業閾値)」
「ランニングエコノミー (経済性)」
これが「あなたがマラソン練習をする上で鍛えるべき能力」です。
なぜなら、これらの能力がマラソンの記録を決定しているからです。
はい。
大事なことなので何度も同じこと言ってますよ。
さて。
世の中にはいろんなマラソントレーニングが紹介されていますが、あなたはそれらの練習の意味を理解していますか?
それらの練習をすることで「マラソン走力決定3大要素」はちゃんと鍛えられていますか?
もしその答えがNOならば、その練習はあなたのマラソンの記録を向上させる練習としては効果が薄いです。
目的がない、あるいは目的に正しく向かっていないからです。
「今取り組んでいるこの練習は、自分のどういう能力を鍛えているのだろうか?」
ということを常に意識しましょう。
「ダニエルズ理論」のダニエルズ氏の言葉を借りると。
常に必要なのは、「この練習の目的は何か」という問いに答えられることだ。
– 『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』 / ジャック・ダニエルズ 著 より
です。
では続いて、「マラソン走力決定3大要素」
「VO2max (最大酸素摂取量)」
「LT値 (乳酸性作業閾値)」
「ランニングエコノミー (経済性)」
それぞれの概要をサクッと紹介していきます。
VO2max (最大酸素摂取量)
まず1つ目『VO2max (最大酸素摂取量)』について。
『VO2max (最大酸素摂取量)』とは・・・
「一定時間内に酸素を体内に取り込める最大量」
※よく使われる単位:◯◯ ml / kg / min
(1分間に体重1kgあたり◯◯mlの酸素を取り込む事ができる)
マラソンのような有酸素運動においてはどれだけ多くの酸素を取り込んで運動エネルギーに変えられるかという能力が非常に重要です。
この「VO2max (最大酸素摂取量)」が高いランナーは“(有酸素的な)最大スピード”が高いと言えます。
また、「VO2max (最大酸素摂取量)」は3~5分間走の繰り返し(ペースはI(インターバル)ペース)で鍛えられると言われています。
その為、「VO2max (最大酸素摂取量)」を鍛える代表的な練習としては
「1000m × 5本 インターバル」
P(ペース):I(インターバル)ペース
R(リカバリー):200m = 90~120秒 ジョグ
※インターバル:速いランニングと短い休憩(リカバリー)を繰り返すトレーニングのこと。
などがあります。
LT値 (乳酸性作業閾値)
では、2つ目『LT値 (乳酸性作業閾値)』について。
『LT値 (乳酸性作業閾値)』とは・・・
「血中の乳酸濃度が急激に上昇するポイント」
※LT : Lactate Threshold
この「LT値 (乳酸性作業閾値)」を超えると、体内には乳酸が急激に溜まって、呼吸が苦しく、身体が動かなくなり始めます。
つまり「LT値 (乳酸性作業閾値)」とはラクに走れるペースとキツくなり始めるペースとの境界のようなものです。
したがって、
「LT値 (乳酸性作業閾値)」を向上させることによって
“ラクに走れる最速ペース”が引き上げられます。
LT値を超えたペースで走っていると身体は疲労に耐えられなくなり、マラソンではペースダウンしてしまいます。
そう言う意味では、LT値は“持久力”を表すとも言えます。
また、
「LT値 (乳酸性作業閾値)」:
20~30分間程度継続できる運動強度(ランニングペース)
と言われており、このランニングペースを「ダニエルズ理論」ではT(閾値)ペースと言います。
このT(閾値)ペースで走る総距離を増やしていくことで「LT値 (乳酸性作業閾値)」の向上が期待できます。
具体的な練習メニュー例としては・・・
などがあります。
ランニングエコノミー (ランニングの経済性)
では最後、3つ目『ランニングエコノミー (経済性)』について。
『ランニングエコノミー (経済性)』とは・・・
「少ないエネルギーでいかに速く長く走れるか」
という効率性のこと
「ランニングエコノミー (経済性)」は様々な要素から構成されています。
それらの要素は複雑に絡み合っているのですが、なるべく体系的に表すならば以下のようになります。
様々な要素が関わり合っている為、「ランニングエコノミー (経済性)」を測る分かりやすい指標はあまりないのですが、概念としては非常に重要です。
「ランニングエコノミー (経済性)」を向上させる方法としては例えば・・・
●エネルギー効率の良い脂質代謝を促す為に、空腹時に走る。(エネルギー代謝的要素)
●糖質代謝の節約する為に、“閾値トレーニング”を行う。(エネルギー代謝的要素)
●速筋(速く走るため)と遅筋(長く走るため)をバランス良く使う。(筋肉・循環器的要素)
●LSDを行い、全身の毛細血管の発達を促す。(筋肉・循環器的要素)
●エネルギーロスの少ないランニングフォームを身につける。(フォーム的要素)
などがあります。
マラソンの記録が停滞している人こそ“基本に立ち返るべき”
最後に、もう一回だけ「マラソン走力決定3大要素」の重要性を。
今この記事を読んでいる方で以下のような悩みを持っている方はいませんか?
でも、最近記録が頭打ちで停滞気味・・・
何か突破口を見出したい。
以上の方々のように、マラソンの記録が停滞している人こそ“基本に立ち返る”ことが重要です。
巷では、様々なトレーニング情報が飛び交っており、それらの中には有益なものもありますが、真偽が定かではない眉唾(まゆつば)物の情報も多々あります。
情報が溢れる中で混乱する方もいらっしゃるかもしれませんが、マラソン練習の“原理原則”的なものは限られています。
こういった“原理原則”は迷った時に立ち返るべき基本なので、常に心に留めておきましょう。
そして、今回紹介した「マラソン走力決定3大要素」も“原理原則”的なものと言って良いでしょう。
繰り返しますが、
以上の3つでマラソンの走力は構成されており、この3つをそれぞれ伸ばしていくことでマラソンの記録は向上するのです。
これが基本のキ。
マラソン練習の本質部分です。
◆まとめ (3つ)
では、まとめまーす。
■『マラソンの走力決定3大要素』について、押さえておきたいこと■
① マラソンの走力を決定する3大要素は・・・
⑴ VO2max (最大酸素摂取量)
⑵ LT値 (乳酸性作業閾値)
⑶ ランニングエコノミー (経済性)
② ①の3つの能力をそれぞれ鍛えることでマラソンの記録は向上する。(マラソン練習の本質)
③ 今取り組んでいる練習は「マラソンの走力決定3大要素」のいずれかをちゃんと鍛えることができているか、常に確認しよう。
■参考書籍、リンク■
[参考書籍]
■『ダニエルズのランニングフォーミュラ 第3版』(ジャック・ダニエルズ 著)
(2021/02/24 23:43:34時点 Amazon調べ-詳細)
■『基礎から分かる!中長距離トレーニング』(櫛部静二 著)
(2021/02/25 20:16:08時点 Amazon調べ-詳細)
■『ランニングの科学』(鈴木清和 著)
(2021/02/25 20:16:23時点 Amazon調べ-詳細)
■『中長距離・駅伝』(両角速 著)
(2021/02/25 20:16:09時点 Amazon調べ-詳細)
[参考リンク]
■マラソンとランニングエコノミー 〜エネルギー編〜 (アスリートLab)
■マラソンとランニングエコノミー 〜筋肉編〜 (アスリートLab)
■マラソンとランニングエコノミー 〜フォーム編〜 (アスリートLab)
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本記事では「マラソン走力決定3大要素」の重要性とそれぞれの概要を簡単に紹介しましたが、以下のリンクはそれぞれの要素についてより細かい解説をしています。
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